大学に入学したての時に、フランス文学の
教授が、マルセル・プルーストの自伝的小説
『失われた時を求めて』の話をしてくれた
ことがあります。
主人公が紅茶に浸したマドレーヌの香りに
触れた瞬間、過去の記憶がまざまざと甦る・・・
その描写は文学界に大きな衝撃を与え、
フランスでは「あなたのマドレーヌは?」
といえば、記憶の“鍵”を尋ねるフレーズと
して定着している、云々。
今の私は、ペナンのコンドで夜、お酒を
飲まない時に、ネスカフェのコーヒーを
淹れて、ビスケットを食べていますと、
昔貧乏旅行をしていた時のマドリッドの
安宿ペンション・アマデオの朝食を
思い出してしまいます。
また、大学に入学して九州から上京して
一人住まいを始めた時に、友人のアパート
に行くと、そこでは当たり前に、
同じカップでコーヒーを回し飲みする
光景を目にして、目を丸くしたことも
思い出します・・・
どれだけ皆、それを粋がっていたのか、
貧しかったのか・・・
情緒等価物は、音楽だけではありません。
映画でも、お料理でも、食事でも・・・
ペナン島での生活の時々に、
昔の思い出が甦ります、
昔の懐かしい記憶が偲ばれます。
0 件のコメント :
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。